若者の恋愛離れは本当?最新調査で読む、恋愛意欲と出会いの変化

同年代の若者が多数行き交いながら、それぞれ別の小集団や一人で過ごしている都市の歩行者広場 Society & Human Nature

※統計は2026年9月公表の資料まで確認しました。この記事には広告(PR)を含みます。

結論から言えば、「若者の恋愛離れ」は一部の現象を言い当てています。しかし、若者が単純に恋愛への関心を失ったと考えると、実態をかなり取り違えます。

実際、若年層で恋人がいない人や、恋愛を人生で重視しない人が増えていることを示す調査はあります。一方で、「良い相手がいれば恋愛したい」「将来は結婚したい」という人も依然として少なくありません。

つまり分けなければならないのは、「恋愛していない」という結果と、「恋愛したくない」という欲求です。

さらに、その間には「恋愛したいが今は優先しない」「恋人はほしいが自分から動かない」「動きたいが出会う機会がない」という段階があります。

欲求・意欲・行動・機会を分けて考えると、同じ「恋愛をしていない」でも事情の違いが見えてきます。

  • 欲求: そもそも恋愛やパートナーを望んでいるか
  • 意欲: 今の生活の中で恋愛を優先したいか
  • 行動: 人と出会い、誘い、関係を進める行動を取るか
  • 機会: 恋愛対象になり得る相手と接点を持てる環境にいるか

この4つを一括して「恋愛離れ」と呼んでしまうことこそ、現在の若者の恋愛を分かりにくくしているのではないでしょうか。

若者の「恋愛離れ」は本当か|交際相手は少ないが、それだけでは説明できない

若者の交際が以前より活発ではなくなっている、という認識には一定の根拠があります。ただし、「恋人がいない=恋愛したくない」ではありません。

2025年の第17回出生動向基本調査では、18〜34歳の未婚者のうち、異性の恋人または婚約者がいる割合は男性19.6%、女性27.8%でした。2021年の21.1%、27.8%と比べると、男性は微減、女性は横ばいです。婚約者を含む指標であり、異性以外との交際も含めたすべての関係を表す数字ではありません。[1]

30年間の変化を追った博報堂生活総合研究所の「若者調査」でも、19〜22歳の未婚者について「デートをする相手がいない」とした割合は1994年から22.1ポイント増え、2024年には67.3%になっています。「今一番欲しいもの」で「恋人」は1994年の5位から2024年には10位まで順位を下げました。[2]

2026年に公表された明治安田総合研究所のWEB調査でも、18〜54歳の未婚回答者の76.3%が「現在交際相手はいない」と回答し、恋愛・交際に興味がある割合も2023年の59.9%から49.5%へ低下しました。[3]

ただし最後の調査は18〜54歳を対象としており、「若者だけ」の数字ではありません。調査対象、設問、交際の定義が違うデータを横に並べて、「若者の何割が恋愛したくない」と一つの数字へまとめるのは適切ではありません。

交際相手がいる割合や恋愛の優先順位には、長期的な低下を示す調査があります。ただし直近の変化まで男女一様とは限りません。恋人の有無と、本人が恋愛を望んでいるかは別の質問です。

第17回調査の結果概要は2026年9月11日に公表されました。交際状況と夫婦の出会い経路については、この調査の結果を参照しています。調査対象や設問が異なる数字は、同じ割合として比較しません。

「恋愛離れ」を4つに分ける|欲求・意欲・行動・機会は別の問題

「恋人がいない若者」を一括りにすると、少なくとも4種類の状態が混ざります。

層問うべきこと起こり得る状態
欲求恋愛そのものを望むか恋愛を必要としない
意欲今、恋愛を優先するかいつかしたいが今は仕事・趣味・学業を優先する
行動出会うために動くか恋人はほしいが誘わない・探さない
機会恋愛対象と接点があるか行動する意思はあっても身近に候補がいない
恋愛していない状態を「欲求・意欲・行動・機会」の4段階に分けて示した図
「恋愛しない」という結果だけでは、どの段階で止まっているのかは分からない。

この違いは重要です。

たとえば「今は恋愛したくない」と答えた人が、将来のパートナーまで不要だと考えているとは限りません。

1987〜2015年の出生動向基本調査を分析したGhaznaviらの研究では、2015年時点で「現在、異性との恋愛関係に関心がない」とした独身者の中でも、生涯には結婚したいと答えていた割合は女性69.2%、男性65.7%でした。[4]

これは2015年までのデータであり、異性愛関係を中心にした調査でもあります。それでも、「今は恋愛に関心がない」と「将来も親密なパートナーを望まない」が同義ではないことは分かります。

恋愛を望まない人が実際にいることと、恋愛したいのに交際していない人がいることは両立します。

「恋愛したいのに交際しない」若者もいる|数字が矛盾して見える理由

希望と現在の交際状況を別々に尋ねた調査を見ると、違いを整理しやすくなります。

Z-SOZOKENが18〜24歳256人を対象に行ったWEB調査では、「とても恋愛したい」が35%、「良い人がいればしたい」が49%で、合わせて84%でした。一方、これまで交際したと認識している人数が0人だった回答者は34%でした。[5]

84%という数字だけを見れば「Z世代は恋愛離れしていない」と言いたくなります。しかし、この調査は有効回答256人のインターネット調査であり、日本の18〜24歳全体を代表する全国標本とは言えません。

反対に、出生動向基本調査の「3人に1人は交際を望まない」という数字だけから、「若者の3人に1人は恋愛不要」と結論づけるのも単純すぎます。調査時期も対象も質問も異なるからです。

日本財団が17〜19歳1,000人を対象に2025年末に行った第77回18歳意識調査では、未婚の回答者989人のうち、将来結婚したい・どちらかといえばしたい人は合計58.1%でした。一方、全回答者が人生で大切にしたいことを上位3つ選ぶ設問では、「恋愛」は22.3%で、2022年調査の27.9%を下回りました。設問の分母と内容が異なることにも注意が必要です。[6]

この結果からも、「結婚したいか」と「いま恋愛を優先するか」を同じ意味にはできません。

個人によっては、将来の結婚を希望しながら、現在は学業や仕事、趣味などを優先することがあり得ます。

恋愛が「人生で当然通過すべきイベント」ではなく、条件が整えば選ぶ一つの選択肢になったと考えれば、一見矛盾する調査結果をかなり説明できます。

令和の核心は「自然な出会いがいい。でも自然には出会えない」ことかもしれない

恋愛を望む人に限定すると、次の問題は「欲求」ではなく「機会」と「行動」に移ります。

こども家庭庁の「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」では、未婚者が感じる結婚のハードルとして「そもそも出会いの場所・機会がないこと」が29.3%で最も多く挙げられました。[7]

先ほどのZ-SOZOKEN調査では、理想の出会い方として「学校や職場、サークルなど日常的なコミュニティ」を選んだ人が61%でした。「友人や知人からの紹介」が19%、「SNS」が12%なのに対し、「マッチングアプリ」は2%です。[5]

さらに2026年、Pairsを運営するエウレカが、恋人・パートナーがいない20〜30代1,019人を対象に行った調査では、真剣な交際を望む回答者の87.6%が何らかの形で「偶然・自然な出会い」を好んでいました。ところが、理想とする自然な出会いを直近半年に経験していない人は88.1%。恋愛対象になり得る相手との偶然の出会いが0回だった人も71.8%でした。[8]

しかも、真剣な恋愛相手と出会うための行動については「全く行動していない」が52.6%、「あまり行動していない」が27.7%でした。[8]

もちろん、これはマッチングアプリ事業者によるインターネット調査です。恋愛市場全体の人口比を示す資料として扱うべきではありません。

しかし、「恋愛したい」「自然な関係形成がいい」「でも自分からは積極的に探さない」という組み合わせが存在する可能性を考える材料にはなります。

ここで問題になるのは、若者が恋愛を嫌いになったかどうかではありません。

自然な出会いを好む人にとって、「待っていれば自然に起こる」という前提が今も成立しているのかです。

「自然な出会い」は偶然ではない|学校・職場・友人が作っていた恋愛のインフラ

そもそも「自然な出会い」という言葉には少し錯覚があります。

学校で毎日顔を合わせる。
職場で一緒に働く。
友人の集まりに何度も参加する。
同じサークルで活動する。

本人から見れば恋愛目的ではないため「自然」です。しかし社会構造として見れば、そこには同年代の人と反復して接触し、少しずつ相手を知り、関係を進められる環境が用意されていました。

多くの人と一度だけすれ違う駅と、少人数が同じテーブルで継続的に交流する場を対比した構図
自然な出会いを生むのは、人の多さだけではなく「同じ相手と再び会える環境」でもある。

出生動向基本調査でも、結婚相手との出会いについて、職場や友人を介した出会いが減る一方、SNSやマッチングアプリなどインターネットサービスを利用して知り合った夫婦が増えています。

2025年の第17回調査では、過去5年間に結婚した初婚どうしの夫婦の20.2%が「ネットで」知り合っていました。対象は妻が50歳未満で結婚し、調査時55歳未満の夫婦です。SNSやウェブサイト、アプリなどを含むため、「アプリで結婚した割合」だけを表す数字ではありません。[1]

つまり変わったのは、「恋愛への欲求」だけではありません。恋愛が始まる経路そのものも変わっています。

かつての自然な出会いは、純粋な偶然ではありませんでした。学校、職場、地域、友人関係といった社会的な接点が、本人の意思とは別に出会いを供給していたのです。

それらの接点だけでは相手が見つからなくなった人にとって、「自然な出会いがいいから待つ」は、昔と同じ行動でも結果が同じとは限りません。

自分の生活圏に接点が少ない人にとっては、希望する相手と知り合える場所を考え直すことが選択肢になります。ただし、誰もが同じ時間や費用を使えるわけではありません。

SNS・タイパ・セクハラ・推し活は本当に「恋愛離れ」の原因なのか

若者の恋愛離れについて検索すると、SNS、タイパ、経済不安、マッチングアプリ、推し活など、さまざまな原因が語られます。

しかし、ここは慎重に分ける必要があります。

それらが現代の恋愛環境に存在することと、それが若者全体の恋愛低下を引き起こしたと証明されていることは別です。

よく挙げられる要因確認できること現時点では断定できないこと
SNS他人の恋愛や容姿、生活を大量に見る環境は存在するSNS比較が日本の若者の恋愛離れを直接引き起こしたという因果
タイパ時間や自由を重視する若者は多い「恋愛はタイパが悪い」と考えたため交際しなくなったという全国的因果
セクハラへの意識職場を介した出会い方には長期的変化があるハラスメント意識の高まりが職場恋愛減少の主原因だという因果
マッチングアプリインターネット経由の出会いは現実の出会い経路になっているアプリの普及そのものが恋愛離れを生んだという因果
経済的不安所得・雇用と恋愛関係の有無には関連が確認されている研究がある所得低下だけで恋愛意欲低下を説明できるという因果
推し活・一人の娯楽恋愛以外の満足源が多い社会になっている推し活や娯楽が恋愛を代替したため交際しなくなったという因果

経済的不安は無関係ではないが、単純な原因でもない

Ghaznaviらの研究では、恋愛関係に関心がない独身者ほど、所得や安定雇用などの社会経済的指標が低い傾向が確認されました。特に男性では、既婚、交際中、恋愛に関心がある独身、関心がない独身の順に正規雇用割合や所得が低くなる傾向がありました。[4]

しかし研究者自身も、これを単純な因果関係とはしていません。

所得が低いため恋愛を避ける場合もあれば、性格、価値観、生活条件など、恋愛と就業の双方に影響する別の要因が存在する可能性もあります。

2026年の明治安田総合研究所調査でも、デート代についてインフレによる負担増を感じる割合は若い世代ほど高いと報告されています。[3]

経済問題は「若者が愛を失った」という話ではなく、恋愛を始めたり維持したりするためのコストを上げる要因として考えるほうが妥当でしょう。

マッチングアプリは出会いを増やす一方、選択を簡単にするとは限らない

マッチングアプリは、学校や職場だけでは会えなかった相手と接点を作れるという意味で、現在の恋愛インフラの一つです。

一方で、「候補が増えれば必ず選びやすくなる」とも限りません。

オンライン上の恋人選択を扱った2009年の実験研究では、提示される選択肢が多い条件ほど探索量が増え、最終的な選択の質が低下する傾向が報告されました。[9]

ただし台湾の参加者128人を対象にした古い実験であり、この研究だけで現在の日本のマッチングアプリ利用者に一般化することはできません。

言えるのは、選択肢の増加と恋愛の容易さは同じではないという程度です。

実際、マッチングアプリでは「出会える人数が増えること」そのものが、比較や選択の負担につながる場合があります。

アプリを開くこと自体に疲れてきた人は、「マッチングアプリ疲れはなぜ起きる?選択肢が多いほど消耗する心理と休む判断基準」で、探索・比較・自己提示による負荷を詳しく整理しています。

推し活が恋愛を「代替した」とも言い切れない

「若者は推し活があるから恋愛しなくなった」という説明も分かりやすい反面、根拠は限定的です。

Z-SOZOKENの調査では、68%が恋愛と推し活を「全くの別物」と捉え、「恋愛のドキドキ感を推し活で代替できる部分がある」と答えた割合は11%でした。[5]

推し活をしているという事実だけで、本人が恋愛を必要としていないとは判断できません。どちらも望む人、片方だけを楽しむ人など、希望を分けて聞く必要があります。

娯楽の増加によって「恋愛しなければ退屈」という状況が崩れた可能性はあります。しかし、それを「推し活が恋愛を奪った」という直接因果へ変換するのは飛躍です。

恋愛が「必須科目」から「選択科目」になった

一人暮らし、カップル、友人同士など異なる若者の生活が同じ集合住宅内で並行して営まれている様子
恋愛や結婚は、人生の唯一の標準ルートではなく、複数ある選択肢の一つになっている。

若者の恋愛を理解するうえで、もっと根本的な変化があります。

独身でいる生き方について、否定的な考えを支持する割合の低下が確認されています。ただし、それだけで個人が感じる周囲からの圧力まで小さくなったとは断定できません。

厚生労働省が2021年の出生動向基本調査を基にまとめた資料では、18〜34歳の未婚者が独身生活の利点として最も多く挙げたのは「行動や生き方が自由」で、男性70.6%、女性78.7%でした。以下は2021年までの変化を示す歴史的な比較です。[10]

また、「生涯を独身で過ごすというのは望ましい生き方ではない」という考えを支持する割合は、2015年から2021年にかけて男性64.7%から51.1%、女性58.2%から39.3%へ低下しています。[10]

これは単純に「結婚嫌いが増えた」という話ではありません。

学校を卒業したら就職する。
一定の年齢になったら交際する。
結婚する。
子どもを持つ。

こうした一定の人生の順序を当然としない考え方が広がっていることは、調査を読む一つの視点になります。ただし、過去にも恋愛や結婚を選ばない人はおり、現在も周囲からの期待に悩む人はいます。

これは恋愛の衰退というより、恋愛の任意化と呼ぶほうが近いでしょう。ただし任意になったからこそ、恋愛したい人にも別の問題が生じます。

相手も恋人を探しているとは限りません。これは世代を問わず、本人の希望や、関係を進める意思を確かめたい理由です。

恋愛を「個人の気持ち」ではなく、社会の変化からもう少し深く考えたい人には、高橋幸・永田夏来編『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』も参考になります。

出版社提供の目次では、若者の恋愛の優先順位、恋愛をめぐる規範、出会いと結婚の変化などを扱っています。以下は広告リンクです。恋人を作る方法ではなく、社会学の視点から背景を読みたい方に向く内容です。

「傷つきたくないから動かない」はあり得るが、若者全体の説明にはできない

「恋人はほしい。」

しかし、

断られたくない。
失敗したくない。
関係が気まずくなるのも嫌だ。
アプリでは値踏みされる感覚がある。
できれば友人関係や日常の延長から自然に好きになりたい。

こうした心理から行動しない人は当然いるでしょう。ただし、これをそのまま「今の若者は傷つくのが怖い世代だから恋愛しない」と世代論へ広げるのは危険です。

今回確認した主要資料からは、拒絶への恐怖が日本の若年層全体の恋愛低下を引き起こしたとする全国的な因果データまでは確認できません。

重要なのは、「恋人がいない」という結果から内面を逆算しないことです。

同じ恋人がいない人でも、理由は異なります。

  • 恋愛自体に関心がない
  • いつかはしたいが、今は優先順位が低い
  • 恋愛したいが、望む相手に出会わない
  • 出会いたいが、生活圏に機会がない
  • 自然な出会いを待っている
  • 出会いはあるが関係を進める行動を取らない

この違いを無視して一つの性格に還元することこそ、「若者の恋愛離れ」という言葉の最大の弱点です。

自己肯定感の低下について

恋愛やマッチングの場で相手の反応が気になり、「選ばれなかった=自分に価値がない」と感じてしまうこともあります。

こうした自己評価の揺れについては、「恋愛で自己肯定感が下がる理由|愛されたいほど自分を見失う心理を解説」で別に整理しています。

自分の希望を整理する|「恋愛していない理由」を決めつけない

以下は、現在の希望や制約を言葉にするための問いです。答えが複数あっても、まだ分からなくても構いません。

  • 恋愛を望んでいない:周囲に合わせて始める必要はありません。いま大切にしたい生活を考えます。
  • 良い人がいればと思う:恋愛のために新たな時間や費用を使いたいか、現在の接点で十分かを考えます。
  • 恋人がほしいが活動していない:時間、費用、気持ち、出会い方への希望のうち、どこが負担かを分けます。
  • 活動しても出会えない:利用地域や参加条件、生活の都合を確認します。活動量を増やす以外に、休む・経路を変える選択もあります。
  • 会えるが関係が続かない:目的や相性、互いの事情など複数の理由が考えられます。一方の会話能力だけの問題と決めません。

最初のタイプに「恋愛しろ」と言う必要はありません。恋愛をしない人生は、それ自体が問題ではないからです。

反対に、「本当は恋人がほしいのに出会えない」という人が、「若者はみんな恋愛しない時代だから」と自分の欲求まで説明してしまう必要もありません。

必要なのは、自分が欲しくないのか、欲しいが優先していないのか、行動していないのか、機会が足りないのかを分けることです。

「恋人がいない」が同じでも、次に確かめることは違う

ここまでの問いを、生活の場面に当てはめてみます。以下は架空の例です。本人の性格や恋愛能力を判定する表ではなく、希望と制約を一緒に整理するためのものです。複数の行が重なっても構いません。

今の言葉・場面まだ分からないこと負担を増やさず試せること
「恋人がいたらいいけれど、今は資格試験を優先したい」恋愛への希望がないのか、今は使える時間が少ないのか。試験後に考え直す時期だけ決め、現在の優先順位を尊重する。
「恋人はほしい。でも休日はいつも同じ顔ぶれ」新しい接点の少なさが負担なのか、別の不安もあるのか。友人に紹介の希望を一度伝えるなど、今ある関係からできることを選ぶ。
「毎週活動しているのに、誰とも続かない」会いたい相手との目的の違い、日程、疲労など、どこで難しくなるのか。回数を増やす前に、会う前・会話中・次の約束のどこで負担が出るか振り返る。
「周りが付き合い始めたので、自分も焦る」自分が望む関係と、周囲から遅れたくない気持ちは同じか。恋人がいることで何を得たいのか、自分の言葉で書いてみる。
「今は恋愛を望んでいない」本人が困っていることがあるか。周囲だけが心配していないか。恋愛を始める前提にせず、本人が大切にしたい暮らしを聞く。

欲求と優先順位が違う、という読み方

例えば試験勉強中の人は、恋人を望んでいても、毎日のやり取りや休日の外出を増やす余裕がないかもしれません。「交際していない」という回答だけでは、その人の希望も、活動を始める時期も分かりません。反対に、毎週イベントに参加していても、恋愛の優先順位が高いとは限らず、友人を増やすことが目的の場合もあります。

この違いは、周囲が助言するときにも大切です。「行動すればいい」と勧める前に、「出会いを増やしたい? それとも、いまは話を聞いてほしい?」と尋ねれば、本人が求める支えを確認できます。人数や統計では見えない事情を、本人の言葉で補うということです。

恋人がほしいなら「自然さ」を捨てる必要はない|設計するのは感情ではなく接点

「自然な出会いが好き」という感覚自体に問題はありません。

条件検索で最初から恋愛対象として査定するより、何度か顔を合わせ、会話し、相手の人柄を知るうちに好きになりたい人もいます。

ただし、自然な恋愛を望むことと、何もしないことは同じではありません。

設計すべきなのは「誰かを好きになること」ではなく、好きになる可能性のある人と接触する機会です。

男女数人が小規模なワークショップで同じテーブルを囲み、共通の活動を通じて交流している様子
自然な出会いを望む場合でも、「人と何度も会える場所へ行く」という部分までは自分で作れる。

自然な関係形成を重視するなら

  • 紹介を希望するなら、友人に条件や断りたい場合の希望も伝えておく。
  • 興味のある活動について、無理なく継続参加できるかを確かめる。
  • 趣味や地域活動では、その活動が主目的であることを尊重する。
  • 友人としての親しさと、交際する意思を別に確かめる。

まずは普段と違う活動を試してみる

人との接点を増やしたいからといって、最初から恋愛目的の場所へ行く必要はありません。

普段とは違う趣味や体験を試してみたいなら、アウトドアやものづくり、文化体験などを探せる「アソビュー!」を使う方法もあります。

一度の体験だけで人間関係が生まれるわけではありません。単発体験そのものを「出会いの場」と考えるのではなく、継続したい趣味や活動を見つける入口として使うのがポイントです。

まずは自分が「またやりたい」と思える活動を見つけ、生活の中に外へ出る理由を増やしていく。その延長線上に、人と繰り返し接する機会も生まれます。

以下はアソビュー!の広告です。開催地、総費用、参加条件、キャンセル規定を確認し、体験そのものに関心がある場合に検討してください。

生活圏に出会いがないなら

  • 友人・知人の紹介
  • 趣味やイベント
  • マッチングアプリ
  • 結婚意思が強ければ婚活サービス

などから、自分の希望と負担に合う経路を選べます。複数の活動を同時に増やす必要はありません。

アプリはあくまで最初の接点を人工的に作る道具です。その後に何度も会い、相手を理解し、関係が自然に深まることとは両立します。

重要なのは、恋愛したくない人まで市場へ参加させることではなく、恋愛したい人が「いつか偶然出会えるはず」と待つ以外の選択肢も持てることです。

また、マッチングアプリを出会いの入口として使う場合は、出会える人数だけでなく「誰と関係を進めるか」を見極めることも重要です。

マッチングアプリで誠実な男性と出会いたいときの確認方法では、本人確認の範囲と、実際の約束・やり取りを分けて整理しています。

サービスを比較するなら、減らしたい負担と増える負担を見る

一方、「出会いは増やしたいけれど、プロフィールを何十人も比較したり、相手探しに時間を使ったりすること自体が負担」という人もいるでしょう。

バチェラーデートはAIマッチングを案内するサービスです。候補を自分で探す方式との違いを比較するときは、希望する日時・地域で利用できるか、どこまで自分で選べるかも確認してください。

別のサービスへ移れば疲れが解消するとは限りません。いまは休むという選択も含め、利用料金、キャンセル料、休会・退会条件を公式案内で確認したうえで検討します。

以下はバチェラーデートの広告です。利用条件は申込み前にご自身でご確認ください。

バチェラーデート

出会う経路を具体的に選びたい場合は、自然な出会いが減った背景と、紹介・趣味・イベントの比較へ進んでください。繰り返し会うことと交際の意思を混同しないためには、単純接触効果を恋愛に当てはめる際の限界も参考になります。

「若者は恋愛しない」という数字を読むときの確認メモ

自分や身近な人に調査結果を当てはめる前に、次の順番で確認できます。大切なのは、調査が誰の、何を測った数字なのかを確かめることです。

  • 誰の回答か:17〜19歳と18〜54歳、未婚者全体と特定サービスの利用者を分ける。
  • 何を尋ねたか:現在の交際相手、将来の結婚希望、優先することは同じ指標ではない。
  • 何人を分母にしたか:調査全体の人数と、その設問の回答者数が一致するとは限らない。
  • いつ調べたか:公表年と調査年を分け、同じ設問で比較されているか見る。
  • 何がまだ分からないか:割合の違いだけでは、一人の行動の理由や因果関係は決められない。

たとえば、架空の友人が「今は恋人はいないけれど、落ち着いたら結婚したい」と話したとします。これを矛盾と扱う必要はありません。「今は何を優先したいのか」「出会いを増やすことを本人が望んでいるか」を聞けば、助言するべきか、ただ話を聞けばよいかも変わります。

集団の傾向を知ることと、目の前の人の希望を知ることは別です。統計は背景を理解する材料として使い、本人の答えを世代像で上書きしないようにします。

若者の恋愛離れについてよくある質問

Q
恋人がいない人は、恋愛に興味がないのでしょうか?
A

それだけでは分かりません。希望はあっても、時間・費用・出会う機会・相手との事情によって交際に至らない場合があります。本文では、欲求、優先順位、行動、機会を分けて考えています。

Q
恋愛意欲の調査で、数字が大きく違うのはなぜですか?
A

対象年齢、未婚者に限るか、恋人の有無、質問文、調査方法が違うためです。「良い人がいれば恋愛したい」と「いま積極的に相手を探している」も同じ質問ではありません。割合の大小だけで、若者全体の変化や矛盾と判断しないでください。

Q
出会いを増やせば、恋愛離れは解決しますか?
A

出会いを望む人にとって接点を増やすことは選択肢ですが、交際の成立は約束できません。費用や時間、安心して参加できる条件も関わります。恋愛を望まない人に、活動を増やす必要はありません。

Q
恋人がほしいのに行動できないとき、最初に何をすればよいですか?
A

活動を一気に増やす前に、何が重いかを一つ言葉にします。時間なら参加できる曜日、費用なら無理のない予算、初対面の不安なら友人を含む場など、条件を絞って考えられます。今は取り組まないという選択も含め、自分の希望に合わせて決めてください。

まとめ|若者の恋愛は、関心・優先順位・機会を分けて考える

「若者はなぜ恋愛しなくなったのか」という問いには、一つの理由では答えられません。

確かに、交際相手がいない若者は多く、恋愛の優先順位が低下していることを示す調査もあります。その意味では「恋愛離れ」という観察が完全な間違いではありません。

しかし、その中には少なくとも次の人たちが混ざっています。

  • 本当に恋愛を必要としていない人
  • 恋愛はしたいが今は優先しない人
  • 良い相手がいれば恋愛したい人
  • 恋人はほしいが行動していない人
  • 行動したいが出会いの機会が少ない人

そして現代では、恋愛や結婚をしない人生も以前より選びやすくなりました。同時に、学校・職場・友人関係だけに任せていても、望む相手と自然に出会えるとは限らなくなっています。

令和の恋愛を理解するには、「若者は恋愛したくなくなった」と一括りにせず、本人の希望と優先順位、出会う経路の変化を分けて見る必要があります。

若者全体から恋愛欲求そのものが消えたわけではありません。恋愛への関心や優先順位の低下はあるものの、それだけでは現在の「恋愛していない若者」の増加を説明できないのです。

恋愛をしたい人は、自分の希望に合う接点を探せます。それが難しい状況もあり、交際していないことを本人の意思や努力だけの問題にはできません。

「恋愛離れ」という一語では説明できないのは、そのためです。

参考文献・出典

  1. 国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」2025年調査・2026年9月公表。図表2-1・5-3。結果概要PDF
  2. 博報堂生活総合研究所「若者調査 30年変化」2024年(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  3. 明治安田総合研究所「恋愛・結婚に関するアンケート調査」2026年2月公表、全国18〜54歳8,872人WEB調査(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  4. Ghaznavi C, Sakamoto H, Nomura S, Kubota A, Yoneoka D, Shibuya K, Ueda P. “The herbivore’s dilemma: Trends in and factors associated with heterosexual relationship status and interest in romantic relationships among young adults in Japan—Analysis of national surveys, 1987–2015.” PLOS ONE, 15(11), e0241571, 2020.
    https://doi.org/10.1371/journal.pone.0241571
  5. Fiom合同会社・Z-SOZOKEN「Z世代の恋愛についての意識調査」全国18〜24歳、n=256、2025年8〜9月調査、2026年8月公表(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  6. 日本財団「18歳意識調査 第77回『価値観・ライフデザイン』」全国17〜19歳1,000人、2025年11月28日〜12月3日調査、2026年3月公表(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  7. こども家庭庁「令和6年度 若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」2024年(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  8. 株式会社エウレカ「真剣な恋愛・出会い方に関する実態調査」20〜30代の未婚・パートナーなし1,019人、2026年4月25〜28日調査(2026年9月確認) 調査・資料を読む
  9. Wu P-L, Chiou W-B. “More options lead to more searching and worse choices in finding partners for romantic relationships online: an experimental study.” CyberPsychology & Behavior, 12(3), 315–318, 2009.
    https://doi.org/10.1089/cpb.2008.0182
  10. 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書―つながり・支え合いのある地域共生社会―」第1部第1章、国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」再集計(2026年9月確認) 調査・資料を読む
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Writer & Visual Artist based in Japan.

Former JGSDF member with professional experience in web writing and editorial direction.

Writing about relationships, communication, and human behavior, with a focus on research-informed perspectives, thoughtful analysis, and practical insights.

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