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「ここまで一緒に暮らしてきたのに、今さら離婚するのか」。熟年離婚の話題には、驚きと、少しの怖さがつきまといます。子育てや仕事が一段落したら、夫婦もようやく落ち着くはず。その予想が外れると、自分たちの将来まで不安になるかもしれません。
ただ、熟年離婚の件数が増えること、離婚全体で占める割合が上がること、自分たちが離婚する可能性が高まることは、それぞれ違います。 直近の統計にも、件数は減ったのに構成比は上がる、という動きがあります。
また、「性格の不一致が最多」という数字だけでは、長い結婚生活のどこで何が起きたのかは分かりません。統計が数える出来事と、家の中で積み重なる出来事の間には、距離があります。
この記事では、公的統計と夫婦研究を読み分けたうえで、これからの生活を考えるための確認点を整理します。離婚を勧めるためでも、結婚を続けるよう説得するためでもありません。長く暮らした二人が、これからの時間をどう扱いたいのか。その話を、漠然とした不安から一歩進めるための記事です。
- 熟年離婚の統計は、年齢と同居期間、件数と割合を分けて読むと理解しやすくなります。
- 裁判所の申立動機は、熟年離婚すべての原因を調べたランキングではありません。
- 自分たちの判断では、安全、生活の事実、相手にまだ確かめていないことを順に見直します。
熟年離婚は何年目から?年齢と同居期間の違い
本稿では統計を読むために、同居期間20年以上の離婚を熟年離婚の目安として扱います。60歳以上の人の離婚、定年後の離婚、結婚届から20年以上たった離婚を、すべて同じものとして数えるわけではありません。
人口動態統計の同居期間は、挙式と同居開始の早い方を起点に、同居をやめるまでの期間です。離婚届を提出した日までの年数とは一致しない場合があります。厚生労働省・同居期間の定義
たとえば、40歳前後で離婚する人にも、同居が20年以上続いた人はいます。一方、60代の再婚夫婦が離婚しても、今回の同居期間が短ければ「20年以上」の欄には入りません。いずれも想定例ですが、年齢と関係の長さが別の軸であることは分かります。
「高齢者の離婚が増えた」という記事を読むときは、何歳以上を対象にしているのかを確かめてください。「長く一緒に暮らした夫婦の離婚」と言いたい記事なら、同居期間の区切りを確認します。このひと手間だけで、別の集団についての数字を自分に重ねることが少なくなります。
最新統計で見る熟年離婚|件数減と割合増の同時進行
2025年の人口動態統計確定数では、離婚は17万9,073組です。離婚率は日本人人口1,000人当たり1.50。基本対象は日本国内で発生した日本人の事象で、この率の分母は既婚夫婦ではなく人口です。厚生労働省・2025年確定数の概況
同居20年以上に注目すると、次のようになります。右列は、同居期間が判明している離婚を分母にした構成比です。
| 年 | 同居20年以上の離婚 | 期間が判明している離婚に占める割合 |
|---|---|---|
| 2000年 | 41,824組 | 16.5% |
| 2010年 | 40,084組 | 16.9% |
| 2020年 | 38,981組 | 21.5% |
| 2024年 | 40,684組 | 23.8% |
| 2025年 | 39,888組 | 24.2% |
出典:厚生労働省・人口動態統計2025年確定数、上巻10-5。20年以上の4区分を合算。割合は不詳を除く件数から計算し、小数第1位に丸めています。
2025年は前年より796組少ない一方、構成比は上昇しています。「熟年離婚が増えた」とだけ書くと、この二つの動きが隠れてしまいます。
「全離婚の約4分の1」の分母
2025年の同居期間不詳は14,298組です。これを含む全離婚を分母にすると20年以上は22.3%、不詳を除くと24.2%になります。上の表は後者です。数字の違いは、分母の違いによります。同表10-5
しかし、どちらの割合も「20年以上暮らした夫婦の約4組に1組が離婚する」という意味ではありません。その問いに答えるには、離婚した夫婦だけでなく、長く同居を続けている夫婦も含めた集団を調べる必要があります。
割合が上がっても件数が増えるとは限らない理由
次は計算の仕組みを示す仮想例です。ある年の離婚100件のうち、長期同居後の離婚が20件だったとします。翌年、離婚全体が80件になり、長期同居後の離婚が20件のままなら、その割合は20%から25%へ上がります。長期同居後の離婚は1件も増えていません。
分母の変化を見ることは、問題を小さく見せるためではありません。何が変わったのかを正しく言い表すためです。長期同居の夫婦自体がどれだけいるか、どの時代に結婚した人が含まれるかも、個々の夫婦の危険度を考えるときには必要になります。
離婚件数
その年に起きた
離婚の数。
離婚中の構成比
離婚した集団のうち、
対象の条件が占める割合。
一定期間の離婚確率
結婚を続けている集団も含め、
一定期間の変化を調べる問い。
統計の読み方を整理した概念図です。「離婚中の構成比」を、そのまま「夫婦が離婚する確率」として読むことはできません。本稿の表から個々の夫婦の将来を算出するものではありません。
「過去最多」という表現にも、件数なのか、割合なのか、何年からの比較なのかを確かめる余地があります。統計の年と公表年も違います。この記事の主な数字は、2026年に公表された2025年の実績です。将来の離婚件数を予測した数字ではありません。
熟年離婚の理由は分かる?司法統計が示す範囲
理由を知る手がかりとして、裁判所の「申立ての動機」がよく紹介されます。ただし、ここで扱うのは、2025年に家庭裁判所で終局した婚姻関係事件です。同居20年以上だけの調査でも、離婚が成立した事件だけの集計でもありません。
| 申立人が挙げた動機の例 | 夫が申立人の事件 総数15,355件 | 妻が申立人の事件 総数42,136件 |
|---|---|---|
| 性格が合わない | 9,004件 | 15,646件 |
| 精神的に虐待する | 3,320件 | 10,995件 |
| 生活費を渡さない | 825件 | 12,137件 |
| 暴力を振るう | 1,367件 | 7,025件 |
出典:最高裁判所・2025年司法統計年報家事編、第19表。動機は申立人の申告から主なものを3個まで重複集計。上表は項目の抜粋です。
この表を「熟年離婚の原因ランキング」と呼ぶことはできません。申立人による説明であり、裁判所が認定した原因の順位ではないからです。夫申立・妻申立では総数も違うため、項目の件数だけから男女の傾向を決めつけることも避けます。
「性格が合わない」の先にある出来事
統計の分類名は、生活の説明としては大きな箱です。たとえば「話を聞いてくれない」という訴えにも、相談の途中で遮られる、支出を勝手に決められる、体調の悪さを笑われるなど、違う出来事が入り得ます。これは分類を自分の生活へ置き換えるための例で、調査で確認された内訳ではありません。
自分の状況を考えるなら、「性格が悪い」「価値観が違う」で止めず、何が起きたか、どのくらい繰り返されたか、改善を求めたときにどう返されたかを書き分けます。
「片付け方が合わない」と「異議を言うと怒鳴られる」は、同じ不満の強弱として扱えません。前者なら分担や基準の相談ができるかもしれませんが、後者では安心して意思を伝えられるかという問題が先にあります。
きっかけと、積み重なった理由の違い
「退職してから」「子どもが独立してから」と聞くと、その出来事が離婚の原因だったように感じます。しかし、決断した時期と、問題が始まった時期は同じとは限りません。
生活が変わって初めて生まれた不一致もあれば、それまで話題にできなかった不満が表に出る場合も考えられます。離れるための住まいや収入の見通しが立ち、判断を実行に移せるようになる場合もあるでしょう。ここでは可能な経過を区別しており、日本の熟年離婚について、どの経過が多いかを実証しているわけではありません。
原因を一つに決めるより、「何が変わり、何は以前から同じだったのか」と尋ねるほうが、目の前の関係を具体的に捉えられます。
退職すると夫婦仲は悪くなるのか
退職で家にいる時間が増えると、関係が悪くなる。そんな筋書きは分かりやすいものです。ただ、夫婦研究は、もう少し入り組んだ姿を示しています。
Oshioの研究は、日本の全国縦断調査から、調査期間中に夫が退職した妻3,794人を分析しました。妻の心理的苦痛の平均的な変化は小さく一時的で、退職前の社会参加や夫との交流などによって経過が異なりました。Oshio, 2021
ただし、調べたのは妻の心理状態で、離婚の発生ではありません。退職前の行動が後の心理状態を変えたという因果も確定していません。「趣味を持てば離婚を防げる」「妻は仕事を辞めたほうがよい」といった処方箋にはできません。
日本の235組を比較した別の研究では、退職世代の夫婦は現役世代より、会話や共同活動、夫の家事分担などが多い傾向を示しました。ただし、異なる夫婦を比較した調査で、同じ夫婦の退職による変化を追ったものではなく、対象者の学歴などにも偏りがあります。伊藤・相良, 2012
二つの研究を合わせても、退職が必ず良い、必ず悪いとは決まりません。むしろ実生活で考えたいのは、退職によって空いた時間を、二人がどう想像しているかです。
一人は「毎日一緒に出かけたい」と考え、もう一人は「ようやく自分の予定を増やせる」と考えているかもしれません。どちらにも、それなりの理由があります。相手の予定を聞く前に「これからは二人で」と決めてしまうと、親しさの表現が拘束として受け取られることも考えられます。
ここから先は研究結果そのものではなく、本稿の実用上の提案です。共有時間を増やす計画と、一人で過ごす時間を守る計画を、両方書いてみてください。 「仲の良い夫婦は何でも一緒」という目標より、互いに無理なく続けられる一週間を描くほうが、相談する内容がはっきりします。
長く続いた結婚ほど、今の希望を聞き直す意味

結婚生活が長いことは、相手を知る手がかりになります。しかし、昔の希望が今も同じとは限りません。子どもが小さかった頃、働き方を決めた頃、親の介護が始まった頃。それぞれの時点で、優先するものや、選べるものは違っていたはずです。
「ずっとこれでやってきた」は事実の説明にはなりますが、今も双方が望んでいるという確認にはなりません。結婚の年数だけでは、その区別はつきません。
感謝と分担は別々に確認
長い間の働きや支えに感謝することと、これからの負担を変えたいと伝えることは両立します。「今までありがとう」と言ったら、今後もすべて引き受けなければならないわけではありません。
たとえば食事なら、調理だけでなく、献立を決める、買い物をする、残り物を把握する、片付ける作業があります。「手伝う」という言葉だけでは、誰が段取りを考えるかが残る場合があります。
相談の例は、「もう少し手伝って」よりも「平日の昼食は、それぞれで用意する形を試したい」です。過去の貢献を点数化して勝敗をつけるより、次の一週間で誰が何を引き受けるかを決めます。もちろん、負担の変更に相手が応じない場合まで、自分の伝え方の責任として背負う必要はありません。
一人の時間は、関係の否定とは限らない
別々の趣味を持つ、一人で散歩をする、同じ部屋にいてもそれぞれ読書する。こうした距離の取り方を、直ちに「冷めた証拠」と判断しなくてもよいでしょう。
確かめたいのは、一緒にいる時間の長さだけでなく、断れること、戻ってきたときに安心できること、必要な相談ができることです。一人になりたい希望と、話す機会をすべて拒むことも、分けて考えます。
「土曜の午前は一人で過ごしたい。夕食は一緒にどう?」という提案なら、距離を置く部分と、関わりたい部分が同時に伝わります。相手に読心を求めるより、自分の希望を具体的に示すための言い方です。
「言わなくても分かるはず」という期待の違いは、夫婦の心理的契約と、暗黙の約束を見直す方法で詳しく扱っています。
話合いの前に、生活を四つの欄で整理

愛情が残っているかという問いに、その場で答えが出ないこともあります。そんなときは、気持ちの結論を急がず、生活の事実を先に整理してみます。以下は本稿で作成した確認方法で、離婚の可否を判定する診断尺度ではありません。
安全
断ることや、保留することができるか。
確認できる事実
支出、分担、住まい、実際に起きた出来事。
まだ分からないこと
相手の希望、制度の対象、自分の見込額。
次の一手
本人に尋ねる、記録を見る、専門窓口で確認する。
安全に不安があるときは、二人での話合いへ直接進まず、安全にできる個別相談から。
相談の準備のために本稿で作成した整理です。離婚や関係改善の結果を予測する診断ではありません。
安全に「嫌だ」と言えるか
反対意見を伝えると、怒鳴られる、脅される、物を壊される、行動を監視される。そうした状況では、二人で丁寧に話せば解決するという前提を置かないでください。
配偶者からの暴力について相談先が分からない場合は、DV相談ナビ「#8008」が地域の窓口につなぎます。相談は各窓口の受付時間内です。差し迫った危険があるときは110へ。相手を説得する準備より、自分が安全に相談できる場所や方法を優先します。
お金は「共有の総額」から「自分の生活費」へ
家計の残高が分かっていても、自分一人の生活に必要な額はまだ分からないことがあります。住居費、光熱費、通信費、通院の交通費などを、現在と生活が変わった場合に分けて書き出します。
これは離婚を決めるための家計診断ではありません。「何とかなる」「きっと困る」という両方の想像に、具体的な確認先を持たせるためです。名義がある、残高がある、自由に使える、という三つも同じではないので、不明な権利関係は自己判断で埋めません。
年金についても、相手が受け取る総額の半分を自動的にもらえると考えるのは不正確です。離婚時の年金分割は、対象となる厚生年金の記録を分割する制度で、手続が必要です。本人の見込額や対象期間は、日本年金機構の案内を確認し、年金事務所で相談します。
財産を「誰の名義か」「誰が負担したか」「どの約束があるか」に分ける視点は、結婚と資産形成のリスクを整理した記事も参考になります。
住まいと頼れる相手を具体名で
住み続ける場合と、別の場所で暮らす場合では、通勤や通院、買い物、支援を頼む相手が変わります。持ち家だから住まいの問題がない、子どもがいるから助けてもらえる、と先に決めないことが大切です。
子どもに相談するなら、「どちらの味方か」を求める話と、引っ越しの手伝いなど具体的な協力を頼む話を分けます。親の関係について、子どもに最終判断を任せる必要はありません。頼れる範囲は、相手の事情も聞いて確かめます。
「今は決めない」にも確認日を
急いで結論を出さないことは、何も見ないまま元に戻ることとは違います。安全に話せる場合は、「二週間、昼食の分担を変えてみる」「来月、家計の資料を確認する」など、試す内容と振り返る日を具体的にします。
期間は関係改善の効果が実証された数字ではなく、予定を決めるための例です。約束が実行されたか、負担が移っただけではないか、断る自由が保たれたかを振り返ります。相手の言葉が変わったかだけでなく、暮らしがどう変わったかを見るためです。
場面別ガイド|今の状況から一つ選ぶ
「熟年離婚が多い」と聞いて急に不安になった
まず、見た記事の「多い」が件数、離婚中の割合、特定年齢の率のどれかを確認します。次に、自分の不安に関係する出来事を一つ書きます。「数字が怖い」と「最近、話を遮られることが増えた」は、取り組む入口が違います。
具体的な問題がまだなければ、統計をきっかけに将来の希望を聞く程度でも十分です。「うちも離婚するの?」と結論を迫るより、「退職後、どんな一週間を過ごしたい?」と生活の話から始められます。
退職後の生活について、期待が食い違っている
一緒にしたいことを三つ並べる前に、それぞれが一人で続けたいことを聞いてみます。仕事を辞める人と、働き続ける人では、平日の時間の使い方も違います。
「家にいるから家事を全部できるはず」「退職したら一緒に旅行できるはず」と、空いた時間を先に予約しないことです。食事、外出、家事、休む時間を紙の上で分けると、同じ「自由な時間」に別の予定を入れていたことに気づく場合があります。
相手から突然、離婚したいと言われた
驚いた直後に、過去の貢献を全部並べたり、すぐ結論を撤回させようとしたりする必要はありません。安全に話せる状況なら、「今日、結論まで話したいのか」「今後の連絡をどうしたいか」など、当面のやり取りを確認します。
相手にとっての「長く考えた末」と、自分にとっての「突然」は両立します。納得できない気持ちを無理に消すより、出来事と希望を分けて聞き、財産や住まいなど不明な点は専門家へ確認するためのメモに残します。
離れたいが、お金や住まいが分からない
最初に、現在把握している収入、毎月の支出、手元の資料、相談できる窓口を書きます。分からない箇所は空欄のままで構いません。推測で埋めると、その推測を前提に次の判断を重ねてしまうためです。
年金や財産の扱いは、記事だけで個別の金額や権利を確定できません。確認したい項目を一つずつ相談します。準備のメモを相手に見られることが危険なら、資料を集める方法も含めて、先に安全に相談できる先へつなげます。
関係を続けたいが、以前と同じ生活には戻れない
「離婚しないなら元通り」という条件を、最初から置く必要はありません。残したいことと、変えたいことを別々に書きます。食事は一緒に取りたいが、休日は別々の予定も持ちたい、といった希望もあり得ます。
双方が同意できる小さな変更を試し、振り返る機会を設けます。ただし、脅しや暴力がある場合に、関係を続けたい気持ちだけで共同の話合いを優先しないでください。継続を望む気持ちと、安全のための個別相談は両立します。
よくある質問
- Q熟年離婚は、60歳を過ぎてからの離婚ですか?
- A
この記事では、同居20年以上という期間で区切っています。年齢による区切りとは別なので、40代で該当する場合も、60代でも該当しない場合もあります。比較する資料同士で、同じ対象を数えているかを確認してください。
- Q熟年離婚の割合が高いなら、自分たちも危ないのでしょうか?
- A
離婚した集団の内訳だけでは、個々の夫婦の将来は判断できません。自分たちについては、安心して断れるか、負担や希望を話せるか、具体的な困り事が続いているかを確認します。統計は関係を採点する点数表ではありません。
- Q熟年離婚の一番多い原因は性格の不一致ですか?
- A
ここで紹介した司法統計は、熟年離婚に限定した原因調査ではないため、その順位は言えません。「性格」という言葉でまとめる前に、何が起きたのか、どのような扱いに困っているのかを具体的に分けるほうが、相談に役立ちます。
- Q定年後は、夫婦の時間を増やせばよいですか?
- A
一緒にいる時間を増やすことだけを目標にせず、双方が望む時間の使い方を確かめてください。共有の予定と一人の予定を両方持つことも選択肢です。交流の量を増やす提案が、一方の義務にならないようにします。
- Q離婚すれば、相手の年金の半分を受け取れますか?
- A
年金総額が自動的に半分になる制度ではありません。対象の厚生年金記録、手続、本人の受給条件などを確かめる必要があります。具体的な見込額は、日本年金機構の案内と年金事務所で確認してください。
- Q別れるかどうか、すぐ決められません。
- A
安全が確保されているなら、結論より先に、まだ分からない事実と次に確認することを整理して構いません。保留にする場合も、何を確かめてから考え直すかを決めると、同じ不安を繰り返すだけの状態から離れやすくなります。
結婚の長さと、これからの暮らし
長く一緒に暮らした時間には、統計に写らないものがあります。助けられた日の記憶も、口にできなかった不満も、同じ年月の中にあるかもしれません。
過去をすべて成功か失敗かに分類しなくても、これからの生活について話すことはできます。感謝していることを残しながら、今の負担を変えたいと伝えてもよいのです。
熟年離婚の数字から持ち帰りたいのは、「何年続けば安心か」という答えより、長く続いた関係にも今の意思を確かめる余地があるという視点です。次の話合いでは、相手の気持ちを言い当てようとする前に、自分が続けたいこと、困っていること、まだ確かめていないことを、一つずつ言葉にしてみてください。
続ける気持ちと離れたい気持ちが混ざるときは、別れるか迷うときの判断材料の整理も参考になります。
参考資料
- 厚生労働省『令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況』。
- 厚生労働省・e-Stat『2025年確定数・上巻10-5 同居期間別離婚件数等』。
- 厚生労働省『令和2年度人口動態職業・産業別統計・離婚』、同居期間の定義。
- 最高裁判所事務総局『令和7年司法統計年報・家事編』、第14~19表。
- Oshio, T. (2021). What Factors Affect the Evolution of the Wife’s Mental Health After the Husband’s Retirement? Journal of Epidemiology, 31(5), 308–314.
- 伊藤裕子・相良順子(2012)「定年後の夫婦関係と心理的健康との関連」『家族心理学研究』26(1), 1–12。
- 日本年金機構「離婚時の年金分割」。
- 内閣府男女共同参画局「DV相談について」。
統計・制度の確認日:2026年11月7日。制度の適用や個別の権利関係、受給額は、それぞれの窓口で最新情報をご確認ください。
